武田邦彦教授 次世代エネルギーを語る!!@秋田2011年09月23日 02:34

元原発推進論者だったが
福島第一原発事故以来、市民レベルの目線でメッセージを発信し続け
時の人となった中部大学の武田邦彦教授。

http://takedanet.com/

その武田教授が秋田県議会会派の集会で基調講演されるという情報を知り
会社を早退して聴講に行った。
一般市民も無料で聴講できるのだが、
200人位の会場の8割はスーツ姿の議会関係者、その他は2割程度だろうか?
周知不足かもしれないが、秋田市民の関心の低さに驚く。特に若い人がいなかった。

現場からUSTしようかとも思ったけどひたすら文字でツイートしたので、
箇条書きで記録に残しておきます。

・震動6に耐えた原発は世界では存在しないということ
 東通、東海は運良く、またはギリギリのところで非常電源を確保できて、
 爆発には至らなかかった

・地震の起こるところに原発あるのは日本だけ
 他の国は基本的に地震の少ない地域に設置されている。

・2006年の原発耐震指針、武田教授も委員だった
 当時の議論で武田教授はその基準では甘いのではないか?と
 随分発言したが、低い耐震基準で通ってしまった。


・原子力を諦める、手を引く必要がある。20年原子力に携わってきた武田教授も心苦しいが。
 学者は事象に対しては素直に受け止めて、誤りならば正さねばならない。
 福島第一の事故は言葉は悪いが学者としては原子力の破綻するところを
 観測できた事象だ。

・東北バッシングで秋田に来たら殴られると思った(笑)
 9月4日放送の「たかじんのそこまで言って委員会」で
 一関市長からクレームのメールを貰ったという話から。


・痛ましい事故だったが溢れた幸い地上に流れた放射性物質は全流出量の10分の1だった。

・青酸カリより致死量が少なく猛毒なセシウム137が畑に撒かれたという事実を認識せねばならん。

・除洗のすすめ。
 事故当初から家庭のお母さん方には家の拭き掃除を勧めてきた。
 掃除するという意味で除染ではなく除洗という単語を使った。
 福島第一からの放射線で被曝するのではなく、
 自宅の床にホコリ状に拡散している放射性物質から被曝するのだ。
 それを取り除けば被曝量は大きく下げられる。
 
・秋田がラッキーだったのは重たい放射性物質は奥羽山脈にぶつかって蔵王、二本松に落ちたこと。
 秋田は比較的安全ということ。
 
・1980年度から世界各地に原発が増えた。
 各国毎の年間被曝量基準がまちまちだったため海外旅行に行くにも指針がなかった。
 そこで国際基準の年間被曝量1mSVが決められた。5mSVの被曝は労災の基準だった

・ところが今は年間20mSVと基準が大きくなった。
 これは子供たちが年間200日学校に通うとして毎日1日2回、学校でレントゲンを受けさせるに相当。
 これに対して世の親が文句言わないのが不思議。

・今度の一件、お母さんたちは一生懸命だけど、お父さんたち、男性の無関心が酷い。

・チェルノブイリ原発事故はソ連崩壊の一因と言われているが
 世界は日本の放射能に対する鈍さに不思議がっている。

・日本人は広島長崎で被曝しているから放射線に強いのか?という外国人もいる。

・日本人は汚染された野菜、魚、肉を平気で食べる。
 逆に中国で同様な事故があったとして日本人はどう対応するだろうか?
 世界各国の日本に対する目はそういう状態。日本人には信念がない。

・台湾は経済界は原発やめろと政府に依頼
 原発の事故は国としての信頼失墜、経済的ダメージが大きいので
 台湾では経済界から原発廃止論議がある。日本は逆、経済界が原発推進。


・国会参考人招致にて隣りに座った伊達市長に呟いた。
 市民をなるべく遠くに逃がしたのが間違い。
 遠くに逃げても放射性物質は風に乗って追いかけてくるので被曝しっぱなし。
 マスクして横方向に逃げるのが正しい。

・武田教授、右翼系を自認(笑)
 日本の国民、国土、米が大好きだとか。

・国際エネルギー機関(IEA)のレポート
 あまり報道になっていないが福島第一事故から3日後に
 IEAが今回の事故における日本のエネルギー損失についてレポートを出している。
 それによると日本の火力発電は30%位の稼働率。原発ダウンしても十分間に合うとの報告。
 しかし、電力事情は厳しいとの世論誘導。

・日本の電気料金
 国土が狭くて送電距離も短いから送電損失は少ない。
 そして高い送電技術を持ってるにもかかわらず、
 日本の電気代が国際価格の2.5倍の理由。誰かがうまい汁を吸っている

・原発の立地条件
 世界最大級の設備がたくさんある。
 原発は怖いけど補助金が欲しいので同じ場所に複数号機を誘致建設する。
 海外(フランス)は都市部に原発がある。安全と言われているから。
 日本は安全という文字は床の間に飾って、怪しいものは遠くにおく

・原発がなくても日本の電力事情は大丈夫なはず。
 電力が足りない。原発必要はやはり必要と情報操作している人がいる。

・次世代エネルギーに関して(講演の本題だが飛んだ展開に汗)

・石油石炭等の化石燃料は800年位貯蔵されている。
 40年前、石油はあと40年で枯渇すると言われたが
 今現在であと43年あると言われている。石油の寿命は延びている。
 実際石油の寿命は現在の分かってる埋蔵量と採油技術で計算されている。

・大まかに1000年は持つから化石燃料じゃんじゃん使え(笑)
 1000年前と言えば平安時代、この先1000年後のことを今考えても仕方ない。

・化石燃料を使うと地球温暖化と騒ぐ人がいるが、
 特に秋田は日本海接しているから全く変化ないはず。
 その理屈は空気を暖めてもそこに接するお湯は沸かない。
 (有名な地球温暖化と南極の氷の話)

・秋田市役所で昼に節電して温暖化防止なんてなんの意味もない(市長苦笑)

(講演45分、ここから質問の時間)

・質問1人目:秋田県で問題になっている汚染灰の処理施設への受け入れに関しての影響。
 日本政府は汚染物質を拡散して薄めようとしている
 ところが汚染物質の量を国民一人あたりに換算すると80億ベクレル、全国民が死ねる致死量。
 拡散させないことが大事。福島の人には申し訳ないが閉じ込める。それから除染。

・質問2人目:海流汚染についてどう考えているか?
 北海道太平洋側沿岸の魚で大人は大丈夫だけど子供はNGというレベル。
 北海道から愛知県まで海洋は汚染されていると思う。
 日本海側には来ないんじゃないか?
 でも海洋汚染は世界的にも初めてなので分からないことが多い。

・質問3人目:原子力政策。ドイツのエネルギー政策。
 ドイツは汚いことは裏工作して解決策を探しておいて、
 きれいな結論だけを堂々と国民に示す。
 日本政府もそのくらいのしたたかさが必要。

(最後に)
・太陽光エネルギーのような子供だましは主力にできない。
 今調達し得る燃料を使って十分乗り切ることができる。

(ここで講演開始から60分経過、武田教授退出)

もっともっとお話を聞きたかったが、
このタイミングで時の人武田教授を秋田に招待した
秋田県議会会派「新みらい」には拍手を送りたい。

おしまい

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